レールに乗り切れた彼ら

順当に努力を積み重ね、堅実な企業や組織に就職し、それなりに安定した生活を送るかつての仲間たちを目の当たりにすると、どうしても大きな劣等感に苛まれる。
だが、結局のところ、私はそのような道に進む人間ではなかったんだな、とも思う。

彼らは大学の講義を真面目に受け、適度に遊びつつも計画的に単位を取り、就活が始まれば適切な企業にエントリーし、スーツを着て面接をこなし、内定を獲得する。
配属が決まれば新しい環境に適応し、経験を積みながらそれなりのキャリアを築いている。

順調だ。

正しい努力の仕方を知り、それを実行し、結果を出してきた。
まさに「レールに乗る」という言葉がぴったりの人生だ。

一方の私はどうだったか。

学生時代、興味のあることにはとことんのめり込んだが、興味のないことは徹底的に疎かにした。
研究室に入れば、自分のやりたいことだけに集中し、周囲が当たり前に行なっている就活という大波には乗れなかった。
社会に出ても、周囲と同じように仕事をこなすことができず、結局はレールから外れたままだ。

「でも、お前は好きなことをやっているじゃないか」と言われることがある。
確かに、仕事を疎かにしてでも趣味に没頭している。
それは間違いなく私の一部であり、最も楽しいと感じることだからだ。
だが、どれも「食える仕事」には結びついておらず、ただ自分の迷走を深めているだけだ。

レールに乗り切れた彼らは、私が焦りや葛藤を抱えていることなど知らない。
彼らは当たり前のように社会人生活を送り、結婚し、家庭を持ち、さらに安定した未来へと進んでいく。
私はその流れに乗れず、今も足元を確かめながら手探りで進んでいる。

それでも、私は私のやり方で生きていくしかない。
レールに乗れなかったからこそ、自由に道を選べるはずだと言い聞かせるが、不安と自己嫌悪に押しつぶされる毎日を送っている。

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