人生何回目?と言いたくなる、落ち着き払った人間がこの世には存在する。
彼らは物事を冷静に対処し、適切な判断を下す。
まるで何度もこの世界を経験してきたかのようだ。
私は違う。完全に初回。
何も分からずに走り出しては、壁にぶつかる。
勢い余って転び、周囲の冷たい視線を浴びる。
そのたびに「あ、これダメだったんだ」と気づく。
でも、それを繰り返してもなかなか上手くならない。
学びがないわけじゃない。
けれど、次に同じ状況に遭遇しても、また違う失敗をする。
まるでステージクリア型ゲームで、最初のチュートリアルから抜け出せないプレイヤーみたいに。
冷静さを持った「人生何周目か」の人たちはすごいなと思う。
でも、私にとってこのドタバタも、きっと「初回の醍醐味」なんだろう。
ぶつかりながら、転びながら、それでも生きていく。
初めての人生、手探りで悪戦苦闘中だ。